かなり磨り減ったかかとは綺麗に修理出来るのか?
今回は靴の修理が出来る事を知らなくてヒールがかなり磨り減ってしまったケースをご紹介します。
大学生くらいになるとアルバイトで頑張って自分の好きな革靴を購入します。
それは人気のオールデンだったりトリッカーズだったり、とてもお洒落な靴を選ぶと思います。
靴を磨いて大切に履き続けているうちにヒールが斜めに磨り減ってきます。
ファッション雑誌を見ていて靴底を全交換するオールソールで修理出来る事は理解しているのですが、かかとの部分だけ修理出来るのは周りの知人や先輩に教えてもらわないとなかなか知り得ない事です。
そして結局ヒールを限界まで磨り減らしている方々を目にします。
今回はヒールの部分だけ修理出来る事を伝えたい思いでこの記事を書きます。
どんな靴でもヒールは磨り減ります
靴を履いているとヒールの部分は必ず磨り減ってきます。
個人差で磨り減りが早い遅いはありますが必ず磨り減ってきます。
ヒールの一番下にはトップリフトという部品が取り付けられており、
素材は磨り減りにくいようにラバーの素材が使われている事が殆どです。
このトップリフトが磨り減って無くなり、革の素材で出来ているヒール本体が地面と接地するようになると途端にヒールが磨り減るスピードが上がります。
雨の日に履いたりすると晴れの日の倍近く磨り減る事もあります。
革は水分を含むと柔らかくなりとても磨り減りやすくなるからです。
磨り減りすぎたヒールは修理不可能?
ヒールが磨り減りすぎてしまうと考えてしまうのが
□もうオールソールでしか修理できないだろう。
□修理期間がものすごくかかるのだろうな。
□修理出来たとしても綺麗に直らないだろうな
等のネガティブな想像をしてしまいます。
周りに相談しても新しい靴を買ったら?なんてアドバイスを受ける事もあります。
ですが、アルバイトを頑張ってせっかく購入したお気に入りの靴。
そんなに簡単に買い換えるなんて出来ません。
どうにかならないのでしょうか?
磨り減ったヒールもプロの手で蘇ります
靴の修理の基本的な考え方は2種類あります。
一つ目は磨り減って無くなってしまったパーツを取り外して新しいパーツに交換する方法。
オールソールやトップリフト交換、中敷き交換などです。
二つ目は磨り減ったパーツを生かして磨り減った部分に補充して修理する方法です。
靴底の補強やつま先修理、すべり革修理などです。
今回の磨り減りすぎたヒールの修理は二つ目の考えの補充して直す方法を選択します。
磨り減ってしまったヒールに同じような素材を補充します。
今回は本革を使用します。
3枚分補充しました。
ヒールの高さを磨り減る前の状態に戻します。
補充して高さを整えたヒールにトップリフトを取り付けて仕上げます。
見事にヒールが蘇りました。
でも革を補充した部分の仕上がりが気になります。
ロウインクで着色して、ドイツ製のワックスを十分に擦り込み補充部分が目立たないように仕上げてあります。
あんなに磨り減っていたヒールがここまで蘇るとは想像出来なかったと思います。
ヒールをきちんとメンテナンスする事で靴のねじれの予防にもなり靴底が片減りしてしまうトラブルを予防出来ます。
そしてなんといっても履きやすくなる。
靴がしっかりしているとお洒落もばっちりきまります。
修理内容まとめ
修理箇所 | 修理内容 |
---|---|
ヒール | ヒールの磨り減った部分に革を積んでいきヒールの高さを再現 |
トップ リフト | 高さを戻したヒールに磨り減りにくいラバーのトップリフトを取り付け |
ポリッシュ | ヒールに補充した革が馴染むようにインクとワックスを使用して磨き上げ |
修理時間 | 2時間から |
このような方におすすめ | ヒールが磨り減りすぎてお困りのお客様 |
※修理時間は目安です。 靴底の状態、混雑状況により修理時間は変わります。