紳士靴マッケイ式靴底補強
靴の代表的な製法はグッドイヤーウエルト式製法、マッケイ式製法、セメンテッド式製法があります。
その中でもマッケイ式の靴は初めて履いた時でも靴底の返りが良く、履きやすい靴です。
主にイタリア製の靴にマッケイ式製法の靴が多くみられます。
フェラガモやサントーニなど履き心地の良い紳士靴はマッケイ式製法が主に採用されていますね。
グッドイヤーウエルト式製法の靴は足に馴染んで履きやすくなるまで時間を要しますがマッケイ式製法の靴は足に馴染むのも早いので新品の靴を履いた時のあの締め付けられるような感じが苦手な方には一度試して頂きたい靴の製法です。
マッケイ式製法の靴を長持ちさせる方法
マッケイ式製法の靴はアッパーと靴底を直接縫い付けてあります。
接着だけで靴底が取り付けてあるセメンテッド式製法と比較して靴底が剥がれにくいメリットがあります。
靴底を縫い込む際は溝を掘り、縫い糸が直接地面と擦れないようにしてあるのですが暫く履いていますとどうしても縫い糸が切れてくる事があります。
靴底を縫ってある糸が切れますと靴底とアッパーが剥がれる原因になります。
お仕事で履かれる靴は使用頻度も高いのでマッケイ式製法で縫われている糸が切れる前に靴底を薄いソールで補強しておくのをお勧めします。
マッケイ式製法靴底補強の流れ
□Step1 靴底が縫い込まれている部分をラバーのシートでカバーします。
靴底の地面と接地する部分にビブラム社製の薄いソールを貼り付けます。
□Step2 使用するビブラムソールは滑り止めの横ラインが入ったタイプです。
横ラインが入っているタイプは靴底の屈曲を妨げないためマッケイ式製法の特徴である履き心地の良さを損なう事なく靴底を補強出来ます。
□Step3 コバの部分の元のソールと貼り付けた薄いソールの境目がありますので目立たないように仕上げます。
薄いラバーソールは登山靴の靴底で有名なビブラム社製のソールを使用しました。
ビブラム社製の製品は耐久性と履き心地が絶妙のバランスです。
マッケイ式製法の靴底補強のメリット
靴底を縫ってある糸が切れるのを防ぎ、アッパーと靴底が剥がれるトラブルを予防出来る。
ビブラムソールの横ラインタイプで補強する事でマッケイ式製法の特徴である履き心地の良さを生かす事が出来る。
靴底を前もって補強する事で靴底が長持ちして結果として修理コストを抑える事が出来る。
まとめ
- マッケイ式製法の靴は靴底の返りがよくとても履きやすい靴です。
- 新しい革靴を履き始めの締め付けるような事もなく快適に履けます。
- 靴底とアッパーを縫い付けてあるのでセメンテッド式製法と比較して靴底が剥がれにくい。
- 靴底を縫っている糸が切れないように事前にラバーソールで補強する事が出来る。
- コバの部分は補強に使用したラバーシートが自然に馴染むように着色して仕上げます。
- 補強するラバーシートはビブラム社製の横ラインが入ったタイプを使用する事でマッケイ式製法の特徴である履き心地の良さを損なわずに補強出来る。
履き心地の良い靴、綺麗な色合いのお気に入りの靴など長く大切に履きたい時は靴底を前もって補強する事で靴が長持ちしますので一度お試し下さいませ。